テーマ 5遺伝にはルールがあります

遺伝にはルールがあります。

 メンデルがそれぞれの形質は遺伝子のペアによって決定されると説明した段階では、問題となりそうな点がありました。もし両親が遺伝子のペアの両方のコピーを渡すなら、子はそれぞれの形質について4つの遺伝子を持つことになります。メンデルは生殖細胞である精子や卵にはそれぞれの遺伝子のペアの片方だけが含まれていると推定しました。精子と卵が遺伝子のペアの半分ずつのセットを提供することで、子には完全な遺伝子ペアのセットが戻ります。

 メンデルは、両親から受け継いだ異なる遺伝子の組み合わせにより、優性と劣性の形質が特有の比率となって現れることを見つけました。それぞれひとつの優性とひとつの劣性の遺伝子を持つ2つの雑種の両親の交配の結果は彼の推論の鍵となるものでした。例えば、雑種の黄色い豆どうしの交配からは黄色の豆は緑色の豆の3倍多くできました。これが、メンデルの有名な3対1の比率です。